柔道整復術の起源
我々整骨院を営んでいる者は柔道整復師とよばれていますが、
では我々柔道整復師はどういったことをする職種なのかといいますと、
主に骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷(肉ばなれ)といった身体の損傷に対して、
柔道整復術という徒手療法を使って損傷部位を整復、固定し、その後の機能回復のための訓練をおこないます。
武術の世界において相手を倒すための術を殺法、
それとは反対に負傷したり傷ついた者を治療する施術法を活法といいます。
もともと空手、柔道、合気道などの武術とよばれるものは、
戦国時代などの昔の戦において、
お互いに手にしていた刀などが使っているうちに刃がかけるなどして使いものにならなくなった時に、
とうとう最後に取っ組み合いになった際にそこから派生したものだと言われています。
そして相手を倒すために用いられる関節技などの柔道の術を、
今度は逆の方向に用いれば、
戦いにおいて負傷したり傷ついた者を、
治すことができるのではないかということで発達したのが柔道整復術だと言われています。
もちろん現代のような手術や投薬といった西洋医学が入ってくるはるか昔のことなので、
これらのことは全て手によって行われていたのは言うまでもありません。
そしてそうこうしているうちにこういった柔道整復術においてそれぞれの流派というものができてきて、
それが後の世に伝承されていくわけなのですが、
明治時代になって西洋医学が入ってきて、
それがだんだんと幅をきかせてくるとともにこのような柔道整復術はすたれていき、
今ではこのような徒手療法は整形外科的なものにすっかり取って代られてしまいました。