ドゲルバン病(狭窄性腱鞘炎)について
★ドゲルバン病(狭窄性腱鞘炎)とは
1985年に狭窄性腱鞘炎を報告したスイスの医師であるフリッツ・ド・ケルヴァンの名前をとって、
ドゲルバン病もしくはド・ケルヴァン腱鞘炎と呼ばれていて、
主に手や指の使いすぎなどが原因で手首から親指の付け根にかけての周辺に生じる炎症のことをいいます。

★ドゲルバン病(狭窄性腱鞘炎)の原因
ドゲルバン病(狭窄性腱鞘炎)は主に親指の使いすぎによって腱や腱鞘に過剰に負荷がかかることが原因であるとされています。
親指を使いすぎることにより腱鞘が肥厚して分厚くなることによって腱鞘の口径(内径)が狭くなるとともに、
腱鞘の中を通っている腱が擦れて炎症を起こすことによって痛みが出ます。
特に妊娠・出産後の女性や更年期の女性に多く、
またパソコン作業などの指をよく使う仕事に従事している人やスポーツ選手などにも多く見られます。
★ドゲルバン病(狭窄性腱鞘炎)の症状
手首(手関節)の拇指側にある腱鞘(手背第一コンパートメント)の部分で腱の動きがスムーズでなくなるとともに、
手首(手関節)の拇指側が痛んだり腫れたりします。
また拇指を広げたり動かしたりした時にこの場所に強い疼痛が走ります。
そして治療せずに放置すると手に力が入りづらくなって物を掴むのが難しくなります。
また手首(手関節)だけでなく拇指や前腕にも痛みが広がるようになります。
★ドゲルバン病(狭窄性腱鞘炎)の検査法
基本的にはレントゲンやCT、MRIなどの画像診断をすることはほとんどありません。
フィンケルシュタインテストでは患側の拇指を内側に倒した後に反対の手で拇指をつかんで小指側に引っ張ります。
引っ張って痛みが出る場合にはドゲルバン病(狭窄性腱鞘炎)の可能性が高いとされています。
アイヒホッフテストでは拇指を握り小指側に曲げた際に手首(手関節)の拇指側に痛みが出れば、
ドゲルバン病(狭窄性腱鞘炎)の可能性が高いとされています。
また超音波エコー検査が行われることもあります。

★ドゲルバン病(狭窄性腱鞘炎)の一般的な治療法
基本的には保存療法が主体で手首(手関節)や拇指の使いすぎが主な原因なので、
サポーターやテーピングで患部を固定して安静にすることによって症状の改善をはかります。
炎症が軽度の場合には消炎鎮痛薬の湿布や塗り薬を使用し重度の場合にはステロイド注射をします。
上記の治療法で症状が改善しない場合や再発を繰り返す場合は手術を行います。
手術は手首(手関節)の皮膚を2~3cmほど切開して腱鞘を切り開くことによって、
腱の圧迫を解放して痛みなどの症状の改善をはかります。
★当院での治療法
当院では微弱電流治療器を用いて炎症を抑えるとともに、
関連する筋肉をほぐしたりテーピングで患部を固定することによって症状の改善をはかります。

