暑熱順化

地球温暖化どころか地球沸騰化まで言われている昨今、

暑熱順化の必要性が言われています。

では暑熱順化とはどういうことかと言いますと、

もともと人間の体は暑くなると自律神経の働きで汗をかいたり、

体表面の血管を太くして体内の血液を体表面に送り出して放熱することによって、

体温が上がり過ぎて熱中症になるのを防ぐような仕組みになっています。

ところが急に暑くなってくると体がまだ慣れていない状態なので、

上記のようなシステムが働きにくく体温が上がり過ぎやすい状態になります。

だから梅雨時や梅雨明け直後など急に暑くなる時期に熱中症になる人が多いのはそのためです。

つまり暑熱順化とは、

まだあまり暑くなりすぎない時期からウオーキングやジョギング、自転車などの軽い有酸素運動、

もしくは半身浴やサウナなどで体温を上げて汗をかくなどして、

上記のような体温の上がり過ぎを防ぐシステムを働かすことによって、

急に暑くなっても体温の上がり過ぎを防ぐシステムがちゃんと働いて、

熱中症になるのを防ぐようにするための体づくりのことをいいます。

つまり高度が高くて低地よりも酸素が薄い場所に行く時に低酸素症で倒れないように、

徐々に高度の高い場所に行って体を慣らしていくのと同じかと思います。

なお上記のようにまだあまり暑くない時期から徐々に体を慣らしていくのを短期暑熱順化、

熱帯地方や中近東の砂漠など常に暑い地域に住むことによって、

体がすっかり暑い環境に慣れてしまうのを長期暑熱順化といいます。

チベットなどの高度が高くて低地よりも酸素が薄い土地に住んでいる人が低酸素症で倒れないのは、

低地よりも酸素が薄い環境に体が適応しているためかと思います。

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