こむら返りについて
★こむら返りとは
こむら返りは一般的に足がつるとも呼ばれていますが、
ふくらはぎの筋肉が自分の意志とは無関係に痙攣し、多くの場合は激しい痛みを伴います。
睡眠中もしくは明け方に起こることが多くありますが、
激しい運動をしている最中や、水泳などをしている際に起こることもしばしばあります。
なおこむら返りの「こむら」とは、ふくらはぎのことを言います。
★こむら返りの原因
筋肉は過度に伸びすぎたり縮みすぎたりすると筋肉それ自体を傷つけたり痛めたりしますので、
そういったことを防止するための感覚受容器(センサー)が2つあります。
1つは伸びすぎを防止する筋紡錘、2つ目は縮みすぎを防止する腱紡錘です。
こむら返りなどの筋痙攣は2つ目の腱紡錘の働きが低下することによって収縮した筋肉それ自体が弛緩できない状態です。
その原因としては、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどといったミネラル成分の不足が挙げられます。
カルシウムとカリウムは神経からの電気信号を筋肉に伝達する上で重要な働きをしていますが、
この2つのミネラル成分の働きを調節しているのがマグネシウムです。
特にマグネシウムの不足は筋肉の縮みすぎを防止する腱紡錘の機能に大きな影響を与えるために、
この筋紡錘の機能低下によっていったん収縮した筋肉が弛緩できなくなります。
なおこむら返りの原因としてはよく冷えや激しい運動などが第一に挙げられたりもしますが、
正確に言えば冷えによる血行不良によるミネラル成分の不足、
激しい運動に伴う発汗量の増加によるミネラル成分の喪失ということになるのではないかと思います。
★こむら返りの予防法
こむら返りが起こった際に一番にできることは、
足を放り出してつま先をつかんで手前にゆっくりと引いてふくらはぎの筋肉を伸ばすことです。
その他の予防法としてはまずカルシウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラル成分の摂取、
冬場や冷房の効いた部屋などで就寝する際には厚手の靴下を着用して冷えを防止する、
就寝前や運動前のストレッチや水分補給、などが挙げられます。
★こむら返りの一般的な治療法
薬物療法としては末梢性筋弛緩剤、漢方薬では芍薬甘草湯などが処方されます。
その他にも鎮痛内服薬や消炎鎮痛薬の外用薬(貼り薬、塗り薬)、血流を改善する薬、
神経の伝達をスムーズにするビタミン薬などが用いられたりもします。
薬の効果があまり見られない場合は神経周辺に神経ブロック注射を行うこともあります。
★当院の治療法
当院ではふくらはぎの筋肉をほぐして症状の改善をはかるのみならず、
太ももやおしり周りの筋肉もほぐすことによってふくらはぎの血流をよくして症状の改善をはかるとともに、
症状の出にくい身体づくりを目指します。