鵞足炎(がそくえん)について
★鵞足炎とは
鵞足とは膝関節のすぐ下にある脛骨の内側につながっている縫工筋、半腱様筋、薄筋の3つの筋肉の腱の総称になりますが、この部分に痛みや違和感などが感じられる慢性的な炎症です。

★鵞足炎の原因
通常の運動などで引き起こされることはほとんどありませんが、ランニングやジャンプ動作などの過度の運動で繰り返される膝の曲げ伸ばしなどによって、鵞足と膝の内側の骨や内側側副靭帯、腱同士が擦れることにより、炎症が引き起こされます。
★鵞足炎の症状
最初は、膝の内側などに痛みや違和感などが生じるようになります。症状が進行してくると、歩行や階段の昇り降りなどでも痛みが生じるようになり、さらに重症化してくると、安静時にも痛みを感じたり、膝の曲げ伸ばしや歩行などの日常動作に支障をきたす場合もあります。
★鵞足炎の検査法
先ずは鵞足部に圧痛や腫脹、熱感があるかどうか確かめたり、半腱様筋や薄筋を伸ばして痛みを誘発することによって診断します。また、変形性膝関節症や疲労骨折との鑑別のためにレントゲン検査も行ったり、MRI検査や超音波検査で、軟部組織の腫脹や損傷などを観察して診断したりもします。
★鵞足炎の一般的な治療法
一般的な治療法では、安静にすることやアイシング、抗炎症薬の使用などがあります。またこれらの治療で効果が見られなかった場合には、ステロイド注射を行うこともあります。
★当院での治療法
当院では微弱電流治療器を用いて鵞足部の炎症を抑えるとともに、縫工筋、半腱様筋、薄筋など鵞足を構成している筋肉の筋緊張を緩めることによって、鵞足部にかかっている負担を軽減します。
★鵞足炎の予防法
運動前のストレッチやマッサージなどで、鵞足を構成している縫工筋、半腱様筋、薄筋などの柔軟性を高めることによって、運動時に鵞足にかかる負担を軽減します。