インピンジメント症候群について

★インピンジメント症候群とは

インピンジメント症候群は肩甲骨と上腕骨との間が狭くなることにより、

腕を動かす際に肩の筋肉や腱が擦れたり挟まったりすることによって痛みや炎症などを引き起こす病気です。

特に一番多いのが腕を上げる際に、

棘上筋が肩甲骨から突き出た肩峰と上腕骨に挟まれたり擦れたりすることによって起こるケースです。

★インピンジメント症候群の原因

一番多い原因はオーバーユース(使いすぎ)です。

繰り返し腕を動かすことによって肩峰下の滑液包やその下を通る腱や筋肉が炎症を起こします。

また加齢によって肩回りの筋肉や腱が衰えることによって肩関節の安定性が低下したり、

猫背や長時間のデスクワークなどにより同じ姿勢を続けることによって、

肩関節の骨と骨との隙間が狭くなることによっても起こります。

肩の関節は肩甲骨と上腕骨とが非常に近い距離で動く構造となっています。

通常ですと腕を上げる際には周りの筋肉がタイミングよく働いて連携することによってうまく擦れずに動くことができますが、

筋肉の疲れや衰え、不良姿勢などが原因でこれらのバランスが崩れるとインピンジメントを起こしやすくなります。

★インピンジメント症候群の症状

肩を上げた時に痛みを感じますが最後まで上げた時よりも上げる途中やある特定の角度で痛みを感じます。

例えば棚の上の物を取ろうとして腕を上げた時や服を着る時に腕を後ろに回した時などに、

肩の先や腕に痛みを感じたりすることが多いです。

特に腕を肩の高さぐらいに上げた際に痛みが強くなる傾向があります。

★インピンジメント症候群の検査法

インピンジメント症候群の検査法はいくつかありますがそのうちの代表的なものをいくつか紹介します。

①Neer test

検者は患者さんの肩甲骨を押し下げてもう一方の手で腕を持って腕を外転させていく。

これは上腕骨を肩峰下面に押し当てるテストで外転90度を過ぎたぐらいで痛みがあれば陽性です。

②Hawkins test

検者は患者の腕を持って前方に90度まで上げて肘を90度まで曲げて肩関節を内旋(関節を内側に捻る)させる。

これは上腕骨の大結節を烏口肩甲靭帯の下面に押し当てるテストで痛みがあれば陽性です。

③ペインフルアークサイン

患者さん自身の力で腕を外転方向に挙上する。

棘上筋に引っかかりや損傷があれば60度から120度の間で痛みを感じそれ以外の角度では痛みを感じません。

病院ではMRI検査や超音波検査などで筋肉や腱の状態を確認することができます。

レントゲン検査では筋肉や腱の状態は確認できませんが、

骨に骨棘(棘のように変形した骨)ができることによって筋肉や腱が擦り切れて発生する場合もあるので、

原因究明の手がかりにはなります。

★インピンジメント症候群の一般的な治療法

病院ではまず飲み薬や注射リハビリテーションなどを組み合わせた保存療法が行われます。

多くの場合は保存療法で症状が改善しますが、

それでも十分な効果が得られない場合や骨棘などがある場合には骨を削りとる手術が行われる場合もあります。

★当院の治療法

当院では微弱電流治療器や手技療法などで固くなったり損傷した筋肉や腱の状態の改善を図るとともに、

テーピングで固定して骨と骨との隙間を広げたり損傷した筋肉を補助することによって症状の改善を図ります。

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